実在的危機に直面したロボット掃除機

部屋の中を縦横無人に走り回るロボット掃除機に左足を嚙まれながら思った。

「人生に意味なんてない」は本当かも知れないと。

コンビニの帰りにスーパーに寄って、卵2パックを買った。

本当は他にも買わいといけないものがあったような気がしたけど忘れた。

いろいろなことがうまく行かなくなると、だんだん生きているのがどうでも良くなって行くのを感じる。

何をしても楽しくないし、どこにいても落ち着かない。

ドッグに戻ろうとするロボット掃除機が、赤外線の光を見つけられなくて、何度も何度も僕の足にぶつかってくる。

今の僕は、ドックに帰れないで充電切れしてしまうロボット掃除機と同じだと思った。

戻る場所も見つけられないし、戻り方も分からない。

残りの充電残量で、無事、充電ドッグまで帰れるのだろうか。